2015年06月27日08:35『愛を積むひと』
先日、久しぶりに映画を観に行きました。
題名は『愛を積むひと』です。

第二の人生を大自然に囲まれた美しい土地で、
豊かにのんびりとした暮らしを選択した夫婦。
二人が移り住んだのは私の憧れの地、北海道の美瑛です。
背景に映し出される景色の美しさに、過去に訪れた美瑛の思い出が重なって・・・
今すぐにあの自然の中に身を置きたい気分になり、
最初から映像の美しさに引き込まれました。

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私が憧れていたのは、こんな自然の中のこんな感じの家だったなぁ。。。
でも自分を取り巻く周りの環境が整わず、それを無視してまで冒険をする勇気もなく、
大阪からほど近い土地に家を建て、第二の人生をスタートさせようと決断した
私達にとっては、あまりにも共感することも多く、
とてもタイムリーな映画だったと思います。

映画では、仕事を辞め何もすることが見つからない夫に、
妻は、長年の憧れだった家の周りの石塀作りを夫に頼みます。
それにまつわる人との関わり。様々な人間模様。
そして・・・心臓病を患っていた早すぎる妻の死。

残された夫に遺した何通かの妻の手紙によって、夫の閉ざされた心が溶け始め、
周りの人との繋がりができていくさま。
その奥深い愛と優しさ・・・本当に素晴らしかったです。

そして、亡き妻のために、塀を完成させる夫。
私は、あまりにも自分の思いと重なりすぎて、胸がいっぱいになりました。

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妻の死の後に見つかった、愛と優しさが散りばめられた手紙。
その思いを受けて、閉ざした心を少しづつ開きながら、前に進んでいく夫。

そんな中で、私が再確認したことは、
人を許さないと、自分は本当に幸せにはなれないんだなぁって、いうことです。
これは頭ではわかっているつもりだけれど、なかなかできない部分でもありました。

私がこれから建てる新しい家のことも頭によぎり・・・
やりたかった石積みを諦める必要はないのかなって思いました。
数年前、ギリシャを訪れた影響で、家の周りを低い石積みにしたかったのです。
最初はそのように計画していたのですが、価格が想像以上に高く、
断念せざるを得なくなっていたのです。。。

最近はいろんなことに疲れ果て、あんなに憧れ続けた家づくりが、
あまり楽しめなくなってきていました。
でも私の中で中で、この映画がきっかけで何かが大きく変わったような気がします。

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映画の主人公が言った言葉でとても印象に残ったフレーズがあります。
手伝ってくれていた青年もまた、自分にすっかり自信をなくしていたのですが、

『形のいい石だけでは石塀はできない。
どうしようもないような形の悪い石も必要で、
その石にしかできない必要な場所がある。』と。

そして・・・
『石塀を積むことは、古い人生を積み重ね、
その上に新しい人生や、世代を積み重ねること。』
はっきりは記憶していないけれど、そのような内容だったと思います。

私の胸に深く刻まれて・・・その言葉が心の中で何度も何度もリピートしていました。

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私たちの家も、外構はできるだけ自分たちで作り上げようと思いました。
なるべくお金をかけないで、1年かかってもいいじゃない。
少しづつでいいから、私たちの人生の集大成を、
自分たちの手で作り上げたいなって。

実際石を積むのは、プロから言わせると素人にはむづかしいと止められましたが、
指導のもと、少しでも自分で積み上げる部分は残したいなって思いました。
でも今は、石にこだわる気持ちもなくなり、家が完成してから、
ふと湧き上がる閃きを形にしていけたらいいなぁって思っています。

ここまでタイムリーで共感できる映画に出会ったことはありません。
導かれた気さえしました。
エンドロールが流れても、あまりの感動にすぐには動くことができず、
会場を出たのは私達が最後になりました。

夫と何度も『良かったね』を繰り返し、いつまでも余韻に慕っていました。

二人で長生きして、第二の人生を思い切り楽しみたい!!
心からそう思いました。
これから作り上げる私たちの人生。
ひとつひとつ今までの人生を重ねながら、
これからの未来に向けて・・・
長い年月がかかっても、手作りの家づくりをしていきたいと思っています。

心地よい場をつくることが長年の夢だったから。

ようやく家の設計の打ち合わせが終わりました。
家の完成は多分12月の中旬頃の予定です。



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